AAFCO(米国飼料検査官協会)とは?
AAFCO(アフコ)って、アメリカにある「米国飼料検査官協会(The Association of American Feed Control Officials)」のことです。主に、ペットフードや家畜のごはんに関する栄養基準やラベル表示の基準を作っている団体なんですよ。
このAAFCOが決めている栄養基準は、実は世界中で広く使われている基準で、日本のペットフード公正取引協議会も、このAAFCOの基準を採用しているんです。
ただし、AAFCOはペットフードの認定や承認をする団体ではないので、ペットフードのパッケージに「AAFCO認定」や「AAFCO承認」などと書くことはできません。正しい書き方は「AAFCOの基準をクリア」です!
また、AAFCOの栄養基準には、成長期や繁殖期の基準と、維持期の基準があります。子犬や子猫は、成長期なので栄養がたくさん必要です。そのため、「子犬用」「子猫用」もしくは「全成長段階用」のフードを選んであげるといいですよ。
AAFCOができた歴史

AAFCO(米国飼料検査官協会)ができたのには、ペットフードや家畜のごはんの品質と安全を守るための理由があったんです。19世紀末から20世紀のはじめにかけて、アメリカではペットフードや飼料の品質がきちんと決まっていなくて、栄養価や安全性がちゃんと管理されていないことが多かったんですよ。
そこで、その問題を解決するために、各州の担当者や農業関係者たちが集まって、1909年にAAFCOが作られました。当時の目的は、家畜のごはんに関するルールを決めて、アメリカ中の州で同じ基準を使えるようにすることでした。これによって、飼料の品質が良くなって、農業ももっと効率的になると期待されていたんです。
ペットフードについては、1960年代から本格的に基準が作られ始めました。今では、犬や猫が健康でいられるために必要な栄養素を決める基準がしっかり定められています。これによって、ペットフードメーカーはその基準に沿った製品を作ることができて、飼い主さんたちも安心してペットに適したごはんを選べるようになったんです。
参照:https://www.aafco.org/about
AAFCOで定められている栄養基準とは?
AAFCOは、犬や猫が健康を保つために必要な栄養素の基準を決めているんです。例えば、タンパク質や脂肪の最低値、そしてビタミンやアミノ酸、ミネラルといった栄養素がどれくらい必要かを定めています。さらに、健康に悪影響を与える可能性がある原材料の上限値も設定されているんですよ。
これらの基準は「乾燥物質基準(DMB)」という、水分を含まない状態を基準にしているので、ペットフードがしっかりとした栄養バランスを提供できるようになっているんです。
このように、AAFCOの栄養基準を満たしているフードは、「総合栄養食」として表示されます。総合栄養食は、犬や猫が必要な栄養をバランスよく摂れるように作られているから、ペットの健康をしっかりサポートしてくれるんですよ!
AAFCO(米国飼料検査官協会)が定めた栄養基準は、ペットフードに含まれるべき栄養素の最低値と最高値を決めているんです。この基準があるおかげで、犬や猫が健康でいるために必要な栄養を、バランスよく摂取できるようになっています。以下は、いくつかの具体的な例です。
1. たんぱく質
- 成犬用ドッグフード:AAFCOの基準では、成犬向けのフードには最低18%の粗たんぱく質が含まれている必要があります。
- 成長期(子犬)用ドッグフード:子犬や成長期の犬には、筋肉や組織の成長をサポートするため、最低22%の粗たんぱく質が必要です。
2. 脂肪
- 成犬用ドッグフード:成犬には最低5%の粗脂肪が必要とされます。脂肪はエネルギーの源であり、被毛や皮膚の健康を保つために重要です。
- 成長期(子犬)用ドッグフード:子犬の場合、エネルギー需要が高いため、最低8%の粗脂肪が必要です。
3. カルシウム
- 成犬用ドッグフード:成犬には最低0.5%のカルシウムが必要です。カルシウムは骨や歯の健康に欠かせません。
- 成長期(子犬)用ドッグフード:子犬には骨や歯の発育のために最低1%のカルシウムが含まれている必要があります。
4. リン
- 成犬用ドッグフード:成犬には最低0.4%のリンが必要です。リンはカルシウムと共に骨の発育や健康をサポートします。
- 成長期(子犬)用ドッグフード:成長中の子犬には最低0.8%のリンが含まれていることが推奨されています。
5. オメガ-6脂肪酸
- 成犬用ドッグフード:AAFCOは、成犬の健康な皮膚と被毛を保つために、最低でも1%のオメガ-6脂肪酸を含むように推奨しています。
6. オメガ-3脂肪酸
- 成長期の子犬用ドッグフード:子犬の脳や目の発達をサポートするため、最低0.05%のDHA(ドコサヘキサエン酸)を含むことが推奨されています。DHAはオメガ-3脂肪酸の一種です。
7. ビタミンA
- 成犬用ドッグフード:ビタミンAは視覚や免疫系の健康維持に重要で、AAFCOの基準では成犬用のフードに最低5000 IU/kgのビタミンAを含めることが求められています。
8. ビタミンE
- 成犬用ドッグフード:ビタミンEは抗酸化作用があり、免疫系の健康を保つために必要です。AAFCOの基準では、最低50 IU/kgのビタミンEが推奨されています。
参照:https://www.aafco.org/resources/guides-and-manuals/
日本におけるAAFCOの関係
AAFCO(米国飼料検査官協会)は、さまざまな国や地域で取り入れられていて、ペットフードの品質を保証するためのグローバルな基準となっているんです。ペットフードを選ぶときの大事なポイントとして、世界中で広く認識されています。
日本におけるAAFCOとの関係
日本のペットフード業界でも、このAAFCOの基準はとっても重要です。日本のペットフード基準は、AAFCOの基準を参考にして作られているからです。
ペットフード安全法の基準
日本では、2009年に「ペットフード安全法」という法律ができて、ペットフードの安全性や表示に関するルールが決められています。これに基づいて、日本国内で作られているペットフードは、愛犬や愛猫が健康でいられるように、安全で適切な栄養が含まれていることが求められているんです。この基準は、AAFCOの栄養基準が参考にされているため、AAFCOの基準が日本でも重要視されています。
総合栄養食の認定
日本で「総合栄養食」とされるペットフードも、AAFCOが決めた最低限の栄養基準に基づいています。だから、「総合栄養食」とされているペットフードは、AAFCOの基準をクリアしていて、愛犬や愛猫が1食で必要な栄養をしっかり摂ることができるように作られています。
AAFCO基準を満たす製品の増加
日本のペットフードメーカーは、AAFCOの基準に基づいて製品を作るのが一般的です。だから、日本で売られている多くのペットフードには、「AAFCO基準に適合している」という表示がされていて、これがあることで、消費者も安心して購入することができるんですよ。
まとめ

AAFCO(米国飼料検査官協会)は、犬や猫の健康を守るために重要な栄養基準を設定し、ペットフード業界において世界的な指標となっています。アメリカだけでなく、日本を含む多くの国や地域でこの基準が参考にされ、品質管理や安全性の向上に貢献しています。ペットフードの栄養基準がしっかりしていることで、私たち飼い主は安心して愛犬や愛猫に適切な栄養を提供できる製品を選べるようになっています。
ペットフードを選ぶ際には、「AAFCO基準をクリアした」という表示があるかを確認し、愛犬や愛猫の健康に配慮したフードを選ぶことが大切です。栄養バランスの取れた食事が、ペットの健やかな成長と長い健康を支えてくれることを忘れないでくださいね!