肥満を防ぐ!低カロリーペットフードの効果とは?

私たちのかわいい愛犬も、私たちと同じように健康がとっても大切。でも、気づかないうちに愛犬が太りすぎてしまうこともあるんですよね。今回は、そんな愛犬の体重管理に役立つ、低カロリーペットフードについて、一緒に学んでいきましょう。どうしたら愛犬が健康でハッピーに過ごせるか、ご紹介します!

肥満による健康リスク

愛犬の肥満は、さまざまな健康リスクを引き起こす可能性があります。

肥満による健康リスクの例はこちら。

  • 関節痛や関節炎:体重が増えると関節や脚にかかる負荷が増え、椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼、関節炎などのリスクが高まります
  • 呼吸困難:気管が細い犬種の場合、脂肪が増えることで気管が圧迫され、呼吸困難になる可能性があります
  • 高血圧や高脂血症、高血糖:肥満になると、高血圧や高脂血症、高血糖を引き起こしやすくなります
  • 糖尿病や心臓病、腎臓病:長期間放置すると、糖尿病、心臓病や腎臓病など重篤な病気にかかる可能性が高まります
  • 脂肪肝:脂肪が臓器にたまり始めると、臓器の機能が低下します
  • 尿路結石:脂肪が代謝されるとシュウ酸ができるため、摂取する脂肪分が多いと尿中のシュウ酸濃度が高くなって、シュウ酸カルシウム結石ができやすい環境となります
  • 免疫機能の低下:肥満犬はウィルスや細菌への抵抗性が弱く、回復も遅いです
  • 癌になるリスクの増加:肥満であれば、特定の癌を発症する可能性が高くなります

そもそも犬の肥満状態とは?

犬種や性別によっても違いがありますが、愛犬の標準体型を知ることは重要なことです。
そもそも犬の肥満状態はどういった状態のことをいうのでしょうか?

犬には、さまざまな種類があるように標準体型も1頭1頭異なります。
犬の標準体型を判断する指標として「ボディ・コンディション・スコア(Body Condition Score:BCS)」というものがあります。

ボディコンディションスコア(BCS)は見た目と触れた状態から、体型(特に脂肪の付き具合)を9または5段階で評価します。なお、現在の体重とBCSから理想体重を求めるには、獣医師に診てもらうことをおすすめします。
環境省から配布されている「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」を参考にしてみてください。

参考:ボディ・コンディション・スコア(BCS)

  • BCS 1(痩せ):肋骨、腰椎、骨盤が外から容易に見える。触っても脂肪が分からない。腰のくびれと腹部の吊り上がりが顕著。
  • BCS 2(やや痩せ):肋骨が容易に触る。上から見て腰のくびれは顕著で、腹部の吊り上がりも明瞭。
  • BCS 3(理想的):過剰な脂肪の沈着なしに、肋骨が触れる。上から見て肋骨の後ろに腰のくびれが見られる。横から見て腹部の吊り上がりが見られる。
  • BCS 4(やや肥満):脂肪の沈着はやや多いが、肋骨は触れる。上から見て腰のくびれは見られるが、顕著ではない。腹部の吊り上がりはやや見られる。
  • BCS 5(肥満):厚い脂肪におおわれて肋骨が容易に触れない。腰椎や尾根部にも脂肪が沈着。腰のくびれはないか、ほとんど見られない。腹部の吊り上がりは見られないか、むしろ垂れ下がっている。

このBCSを参考にすれば、BCS 4~5の体型が肥満傾向であることがわかり、愛犬が太り気味と判断することが容易になります。

肥満になってしまう原因

犬の運動不足

ワンちゃんも人間と同じように、運動をすることでエネルギーを消費します。日々の運動は、体内で消費されるカロリーを増やし、健康を維持するために非常に重要です。散歩や遊びを通じて、ワンちゃんは体の余分な脂肪を燃焼させることができます。

しかし、運動不足になると、消費するはずのカロリーが使われずに体内に残ってしまいます。特に、食事の量が多い場合や高カロリーの食べ物を与えている場合、運動不足はさらに肥満を引き起こしやすくなります。ワンちゃんが十分な運動をしていないと、体内に蓄積されたカロリーが脂肪として体に貯まり、体重が増加してしまうのです。

高カロリーの食事

ワンちゃんが高カロリーの食事を過剰に摂取すると、体が使いきれなかったエネルギーは体内に蓄えられます。これがいわゆる「脂肪」として体にストックされてしまいます。特に、脂肪分が多かったり、糖分が多い食べ物を多く与えると、ワンちゃんの体重はどんどん増えてしまいます。

ドッグフードの与えすぎ

ワンちゃんに必要な食事の量は、その大きさ、年齢、活動量によって異なります。適切な量を与えることが、ワンちゃんの健康を保つためには非常に重要です。しかし、愛情からついついドッグフードを多く与えてしまうことがありますよね。特においしそうに食べる姿を見ると、もっとあげたくなってしまうものです。

ですが、ドッグフードを必要以上に与えてしまうと、ワンちゃんの体には消費しきれないカロリーが蓄積されます。この余分なカロリーは体内で脂肪として貯まり、肥満を引き起こす原因となります。

おやつの与えすぎ

ワンちゃんにとっておやつは、特別なご褒美であり、とても嬉しいものです。でも、このおやつが意外とカロリーが高いんです。私たちが食べるスナックやお菓子がカロリーが高いのと同じように、ワンちゃんのおやつもエネルギーがたっぷり含まれています。

おやつを与えすぎると、ワンちゃんの体に必要なエネルギー以上になってしまい、消費しきれなかったエネルギーが脂肪として体内に蓄積されます。これが続くと、肥満につながり、ワンちゃんの健康に悪影響を与えることがあります。

避妊・去勢手術を行った犬

ワンちゃんが避妊や去勢手術を受けると、その体内で生産されるホルモンの量が変わります。特に、性ホルモンの減少は、ワンちゃんの基礎代謝率を下げることがあります。基礎代謝率が下がるということは、ワンちゃんの体が日常的に消費するエネルギーの量が減るということです。つまり、同じ量の食事をしていても、消費されるカロリーが少なくなり、余分なカロリーが脂肪として体内に蓄積されやすくなるのです。

また、避妊や去勢手術を受けたワンちゃんは、食欲が増すことがあります。手術によるホルモンバランスの変化が、食欲を刺激することが原因です。食べる量が増えれば、それだけ摂取カロリーも多くなり、肥満につながるリスクが高まります。

ダイエット方法

上記で紹介したように主に「運動不足」と「食事管理」が肥満の主な原因になっています。愛犬のダイエットには、食事と運動の両面からアプローチすることが効果的です。

食事の面

食事の面では、次のようなポイントに注意しましょう。

低カロリーで栄養バランスの取れた食事が大切です。市販されているドッグフードの中には、ダイエット用や体重管理用のフードもあります。これらはカロリーが抑えられていて、肥満を予防しながら必要な栄養をしっかりと摂取できるように作られています。食事量も大切で、獣医師と相談しながらワンちゃんの理想的な体重や健康状態に合わせて調整しましょう。

運動の面

運動の面では、次のようなポイントに注意しましょう。

ワンちゃんには定期的な運動が必要です。毎日の散歩は基本ですが、ただゆっくり歩くだけでなく、時には少し速めに歩いたり、公園でボール遊びをしたりすることで、より多くのカロリーを消費することができます。適度な運動は、筋肉を維持しながら余分な脂肪を燃焼させるのに効果的です。ただし、急に運動量を増やすとワンちゃんに負担がかかることがあるので、徐々に運動量を増やしていくことが大切です

といっても、なかなか運動量を増やすだけでは痩せづらいです。
そこでオススメが低カロリーペットフード(ダイエットフード)です。

低カロリーペットフードとは

低カロリーペットフードとは、「通常よりも代謝エネルギーが抑えられたペットフード」のことをいいます。
「低カロリーフード」と「一般的なフード」の違いは、カロリーや栄養成分の量・比率、そして与える目的などです。
低カロリーフードは、通常よりも代謝エネルギーが抑えられたフードで、体重や筋肉維持に必要な栄養バランスが整えられています。メーカーによっては「体重管理用フード」「機能性フード」「ダイエットフード」「ライト」などと呼ばれることもあります。
一般的なフードには、総合栄養食と一般食があります。総合栄養食はすべての栄養素を網羅しているフードですが、栄養価にはフードごとに差があります。一般食は総合栄養食の補助として与える立ち位置にあり、栄養成分の値や量としては、そのフード単体で与えるには不足しています。

低カロリーフードの効果

低カロリーペットフードは、通常のフードに比べてカロリーが低く設定されている特別なドッグフードです。このフードは、特に体重が気になるワンちゃんや、運動量が少ないワンちゃん、または肥満が心配されるワンちゃんに適しています。

低カロリーフードの特徴は、高カロリーの原料を控えめにして、低カロリーでも栄養バランスが整えられている点です。例えば、脂肪分が少なく、炭水化物の種類を工夫して、消化しやすくエネルギーに変わりにくい成分を使用しています。これにより、ワンちゃんが食べても体重が増加しにくくなります。
また、特定の病気や健康状態に合わせて作られた「療法食」もあります。療法食は製品ごとに栄養成分の量や比率が特別に調整されており、継続して与えることで健康状態の維持や病気の進行を遅らせるサポートが期待できます。

正しい低カロリーペットフードの選び方

  • タンパク質の質:肉や魚など、質の高いタンパク質が含まれているか確認します。タンパク質はワンちゃんの筋肉維持に必要です。
  • 脂肪分の低さ:脂肪分が低めのものを選ぶことで、カロリーを抑えることができます。
  • 繊維質の含有量:繊維質が多いフードは、少ない量でも満腹感を得やすく、便通も良くなります。
  • 添加物の有無:不必要な添加物が少ない自然派のフードを選ぶことも、ワンちゃんの健康にはプラスになります。

低カロリーペットフードの効果的な与え方

摂取エネルギーが消費エネルギーよりも多いと、肥満の原因になります。運動だけで摂取したエネルギーを消費するのは難しいです。
しかし、フードの量を減らすと、必要な栄養素が摂取できなくなり、犬が体調を崩してしまうかもしれません。
一日に何回かに分けてフードを与えることがおすすめです。たとえば、一日に2回または3回に分けて与えると、ワンちゃんが長時間空腹を感じることなく、常に一定のエネルギーを保つことができます。これにより、食後の急激な血糖値の上昇を避け、一度に大量に食べることによる過食を防ぐことができます。

また、低カロリーフードを与える際は、ワンちゃんがしっかりと噛んで食べることができるように、適切なサイズのフードを選ぶことも大切です。噛むことで満腹感を感じやすくなり、消化も助けられます。

まとめ

ワンちゃんの健康について大切なお話をしました。特に、ワンちゃんが太りすぎちゃうと、いろいろな体のトラブルが起こりやすくなるんです。例えば、歩くのがつらくなったり、息がしにくくなったり、心臓に負担がかかったりすることも。それに、太りすぎは病気のリスクも高まるから、注意が必要なんですよ。

ワンちゃんが太りすぎてしまう原因はいくつかあります。運動不足や、食べる量が多いこと、おやつをたくさんもらっちゃうことなどが挙げられます。そして、大切なのが食事。低カロリーペットフードを使うと、カロリーを抑えつつ、おなかいっぱいになれるので、ダイエットにピッタリなんです。

低カロリーペットフードとは、普通のフードよりもカロリーが低く、ワンちゃんの体重管理をサポートしてくれる特別なフードのこと。選ぶときは、たんぱく質がしっかり含まれていて、脂肪分が少ないものを選ぶといいですよ。また、運動を一緒にすることも大切です。ゆっくり長めのお散歩を心がけましょう。

低カロリーフードを上手に使って、ワンちゃんが健康で楽しい毎日を送れるようにしましょうね!